安さと燃費が魅力のダイハツ・ミライースは、本来であればすでに新型へと切り替わっていてもおかしくない時期に差し掛かっています。
ミライースはフルモデルチェンジでどのような変貌を遂げるのでしょうか。
今回は、認証不正問題による影響から、気になるハイブリッド搭載の有無、そして最大のライバルであるアルトとの徹底比較まで、次期ミライースの全貌を大胆に予想します。
フルモデルチェンジ時期:なぜここまで遅れているのか?
まず、誰もが気になっている「登場時期」について。
結論から言えば、次期ミライースの登場は当初のスケジュールより大幅に遅れて、2027年以降になると見て良いでしょう。
認証不正問題という大きな足枷
最大の要因は、言うまでもなく2023年に発覚したダイハツの認証不正問題にあります。
この影響により、ダイハツは全車種の出荷停止という前代未聞の事態に追い込まれ、社内の開発リソースは既存車種の再発防止策や法規対応、信頼回復のための組織改革に割かれることとなりました。
本来、ミライースのモデルサイクルは約6年程度。現行型が2017年発売であることを考えれば、2024年には新型が登場していてもおかしくはなかったところです。
しかし、この「空白の時間」が生まれたことで、開発スケジュールは年単位で後ろ倒しになったと推測されます。
現在のフルモデルチェンジ予想時期は、2027年
現在、ダイハツは順次生産を再開し、新型車の開発も再始動しており、2025年6月には、ムーヴがフルモデルチェンジされました。
2026年後半~2027年初頭には、タントのフルモデルチェンジが控えているといわれています。
稼ぎ頭のタントやムーヴが優先されるのは致し方のないことで、ミライースのフルモデルチェンジは、それ以降になるだろう。というのがもっぱらの見方です。
パワートレイン予想:K-VISIONの技術は採用されるのか?
次期ミライースを語る上で避けて通れないのが、「燃費」と「電動化」の議論です。
ライバルのスズキ・アルトは、マイルドハイブリッドシステムを搭載し、WLTCモード燃費で軽自動車トップクラスの数値を叩き出しています。
対するミライースは、どう対抗するのでしょうか。
一部では「次期ミライースには、ロッキーで培ったe-SMART HYBRID(シリーズ式ハイブリッド)が搭載されるのでは?」という噂も飛び交っています。
実際、ジャパンモビリティショー2025では、K-VISIONという軽自動車にも搭載可能なストロングハイブリッドシステムが発表されました。
しかし、筆者はここで冷静な視点が必要だと考えます。
ミライースの至上命題は「低価格」と「省資源」だ。 シリーズハイブリッドや、本格的なストロングハイブリッドシステムは、どうしてもコストが嵩みます。
ハイブリッドを採用し価格が200万円となってしまっては、ミライースとしては受け入れられないでしょう。
あくまで「第3のエコカー」としての原点に立ち返るなら、高コストなシステムの採用は見送られる可能性が高いとみています。
新型ミライースの燃費予想
現実的な解となるのが、既存のエンジン、トランスミッションを徹底的に磨き上げることでしょう。
ダイハツには「イーステクノロジー」「DNGA」があります。
高張力鋼板による徹底した軽量化、空力特性の改善、そしてエンジンの熱効率向上。
これらを突き詰めることで、高価なバッテリーに頼らずとも、アルトに肉薄する、あるいは凌駕する燃費性能(WLTCモード 28.0km/Lオーバー)を目指してくるでしょう。
現在、ミライース(25.0km/L)とアルト(27.7km/L)の燃費の差は1割程度です。
ムーヴがフルモデルチェンジで、ハイブリッドを採用せずとも1割ほど燃費を向上させてきていますから、アルトに肩を並べる燃費の実現は可能であると考えます。
質感と乗り心地:ここはアルトに譲れない領域
燃費ではアルトの後塵を拝する現状だが、現行ミライースユーザーが口を揃えのが「質感」と「乗り心地」の良さです。
ここに関しては、次期型でも間違いなくダイハツが力を入れてくるポイントでしょう
アルトの「軽さ」に対するミライースの「安定感」
現行アルトは、徹底的な軽量化によって燃費を稼いでいますが、その分、ドアを閉めた時の音やロードノイズ、走行時の挙動において、どうしても「軽さ」「薄さ」を感じてしまう場面があります(もちろん、それが軽快な走りにつながっているのですが)。
一方でミライースは、ドアの開閉音や内装の立て付け、シートの作りにおいて、ワンランク上の「しっかり感」を持っています。
段差を乗り越えた時の突き上げの処理や、高速走行時の直進安定性においても、ミライースに分があると感じるドライバーは多いでしょう。
DNGAプラットフォームによる大幅進化に期待
次期ミライースでは、タントやムーヴで高評価を得ている新世代プラットフォーム「DNGA」が採用されることは確実です。
現行ミライースにはDNGAプラットフォームが採用されていません。
DNGAプラットフォームの採用により、ボディ剛性が飛躍的に向上することで、サスペンションがより正確に動き、乗り心地はさらにしっとりとしたものになるでしょう。
質感や乗り心地の部分でアルトと明確な差別化を図り、ビジネスユースだけでなく、パーソナルユースの需要もしっかりと掴み取ることができるはずです。
デザイン:キープコンセプトか、未来志向か
デザインに関しては、現行型の評判が良いだけに、大きく路線変更することはリスクが高い。
現行ミライースの、シャープで精悍なフロントフェイスは、男性ユーザーからも支持が厚い。
おそらく、次期型もこの「キリッとした」路線を継承しつつ、空力特性をさらに追求した流麗なシルエットになると予想します。
アルトが丸みを帯びた愛らしいデザインにシフトしていますから、住み分けができると良いですね。
価格予想:値上げは必至だが、最小限に抑えられるか
最後に、最も気になる価格について予想します。
昨今の原材料費高騰、円安など、自動車メーカーを取り巻くコスト環境は極めて厳しく、次期ミライースにおいて、現行並みの価格維持は不可能と言って良いでしょう。
現行アルトのエントリーグレード(A・2WD)は約114万円から。一方、現行ミライース(B・2WD)は約99万円からと、かろうじて100万円を切るグレードが存在します。
次期型では、アルトと同程度の、ベースグレードであっても110万円前後への値上げは避けられないでしょう。
「DNGAプラットフォーム」は、コストを抑えつつ性能を向上させるという触れ込みのプラットフォームですから、値上がりをどれほど抑えることができるか。にも注目です。